「バレットフィリア達の闇市場」が頒布されてから二週間以上が経ち、当ブログの管理人もゲームを一通り遊びきって、全実績を無事達成することができました。
そこで、当記事ではストーリーの顛末など、作品のネタバレを含む感想などを書こうと思います。
そのため、「バレットフィリア達の闇市場」をまだクリアしていない方はご注意ください。
そこで、当記事ではストーリーの顛末など、作品のネタバレを含む感想などを書こうと思います。
そのため、「バレットフィリア達の闇市場」をまだクリアしていない方はご注意ください。
ストーリー
今作のストーリーは、「東方虹龍洞」から直接続く続編となっています。
前作のラスト、市場の神である天弓千亦によって普及とともに陳腐化し効力が失われることが示唆されたアビリティカードですが、何故か世に溢れたカードの効力は失われませんでした。
それどころかカードの価値は増す一方となり、ついには市場の神が介入が出来ない闇市場が開かれるようになりました。
そんな中、蒐集家としてカードの蒐集も兼ねて霧雨魔理沙が闇市場の調査に乗り出したことから、今作のストーリーは始まります。
今作でチュートリアルを担当するのは豪徳寺ミケとなります。
前作では正規のカードの売人だったミケですが、今作では闇市場にも関わっており、チュートリアルでは魔理沙に闇市場のルールを教える役割を果たしました。
小数点ナンバリングSTGである今作は全体的に会話数が少ないため、結果的にミケは数少ないストーリーに直接登場したキャラクターとなりました。
ストーリーの結末
6カ所の闇市場を巡った魔理沙は、最終的に月虹市場にたどり着くことになります。
月虹市場とは前作「東方虹龍洞」の最終ステージのタイトル(ステージ名は誰の物でも無い夜空)で、本来なら正当な市場が開かれる場所でもあります。
End of Marketとなるこの月虹市場は特殊なステージとなっており、各Weveの間に闇市場が開かれません。
辺りが虹色に輝くことで闇市場が中止される月虹市場で魔理沙を待ち構えていたのは、市場の神である天弓千亦でした。
闇市場を利用せずに千亦を倒し実力を証明した魔理沙は、千亦に闇市場を仕組んで操っている黒幕が山童の山城たかねであることを教えてもらいました。
表向きは機能しているように見える闇市場の実態は山童の経済活動であり、実は山童しか儲かっていないため、千亦曰く非常に危うい市場のコントロールだそうです。
千亦には協力者がいるらしく、その人物は闇市場に参加するフリをして隠れているとのことです。
そのため、千亦に「空白のカード」を渡された魔理沙は、それを装備して守矢神社の闇縁日に向かうよう指示されました。
前作でもキーアイテムとなった「空白のカード」は、設定上所有権を操作できる唯一のアビリティカードであり、今作では闇市場が開かれなくなる能力を持っています。
実用性は低かったとはいえ、一応カードを手に入れる効果があった前作とは違い、今作の「空白のカード」の闇市場が開かれなくなるという効果は完全にデメリットでしかなく、ストーリーの都合で装備することになるこの機会以外では、ほとんどの人がもう二度と装備することは無いと思われます。
守矢神社の闇縁日に隠れていた千亦の協力者は、河童の河城にとりでした。
山童のライバルである河童のにとりは、山童が闇市場を独占していることを良く思っておらず、機を見て闇市場を乗っ取ろうとしていました。
勝負の末、魔理沙はにとりに秘策となるあるアビリティカードを渡され、たかねが虹龍洞に潜んでいることを教えられます。
にとりが用意していた秘策とは、「資本主義のジレンマ」という闇市場の値段がランダムに変わってしまう、とても恐ろしい能力を持ったアビリティカードでした。
「資本主義のジレンマ」によって闇市場のカードの値段が滅茶苦茶になった虹龍洞を進んでいくと、自分が仕切る闇市場の異常に気付いたたかねが姿を現します。
闇市場の混乱が市場の神の計画であることを知ったたかねは、魔理沙の予想に反して負けを認め降参を申し出ました。
ビジネスで闇市場を開いていたたかねからすれば、金にならない争いをする必要はどこにもなかったのです。
しかし、ここまで調査してきた魔理沙が、このような結末で納得するはずもなく、結局たかねは魔理沙と戦闘をすることになります。
そして、魔理沙はしっかりと戦った上でたかねを降参させ、闇市場はこれで崩壊するものと思われましたが、ここで大きなどんでん返しが起こります。
闇市場でカードを集めきりたかった魔理沙は、たかねに交渉を持ち掛け、もうちょっとだけ闇市場を続けるよう頼んだのでした。
「バレットフィリア達の闇市場」のストーリーはこうして幕を閉じ、100回目の「コミックマーケット」記念作品らしい明るい終わり方となりました。
たかねを倒すと貰えるアビリティカードは「百回目のブラックマーケット」です。
「百回目のブラックマーケット」は、手に入れてないカードがステージクリア時に確定で出る能力を持っており、カード集める際非常に役立ちます。
名前の方も100回目の開催となる「コミックマーケット」を記念したものとなっており、ストーリーをクリアしたご褒美の意味合いが強いカードです。
ステージ&登場キャラクター
「バレットフィリア達の闇市場」では、「秘天崖」や「霧の湖」などこれまで東方Projectに登場したことのあるステージを闇市場の調査のため魔理沙が巡ることになります。
各ステージにはDifficulty(難易度)が定められており、星の数が多いほど難しいステージとなります。
ステージの最後に登場するボスは、基本的に複数人の中からランダムに出現する形式となっているほか、前述したようにストーリーの都合で特定のアビリティカードを装備しないと遭遇出来ないキャラクターもおり、それ以外にもクリア後のみ登場するキャラクターもいます。
メニュー画面では、登場するボスについて「登場する妖怪」と表記されていますが、実際には人間など妖怪以外の種族のキャラクターが登場するステージもあります。
また、今作でも「東方文花帖」系列の小数点ナンバリングSTGで恒例となっている、一風変わった二つ名が各キャラクターに設定されているほか、ボスを撃破した場合は魔理沙によるそのキャラクターへの一言コメントが見れるようになっています。
各キャラクターが使用するスペルカードも、チュートリアルを除けば全て新規の物となっていますので、ゲームを進めることで登場キャラクターの新たな一面を垣間見ることが出来ます。
Tutorial
初めての闇取引
Difficulty ★
登場する妖怪
豪徳寺ミケ
招符「弾幕万来」
(ステージ名は「初めての闇取引」ですが、背景からすると場所は「東方紺珠伝」STAGE1の「妖怪の山麓」です。)
登場する妖怪
豪徳寺ミケ ヤミイチだって招き猫
・金符「三毛猫に小判」
秋穣子 焼き芋と交換しない?
・秋符「五穀豊穣波」
エタニティラルバ 美しい虫だけど毒は無し
・蝶符「デッドリーバタフライ」
坂田ネムノ 山姥は闇市場が好き
・包丁「刃こぼれするまで切り刻め」
登場する妖怪
チルノ 無邪気は正義
・「パーフェクトフリィィィズ!」
わかさぎ姫 保存すべき水産資源
・歌符「人魚の歌」
牛崎潤美 お魚食べて健康体
・「剽掠のさざ波」
赤蛮奇 肩こり無用のろくろ首
・「身軽な生首ライフ」
登場する妖怪
戎瓔花 ふよふよ系河原アイドル
・石符「エイジャの積石」
庭渡久侘歌 早起き強制しちゃうよ
・「命の分水嶺」
矢田寺成美 お地蔵さんって退屈
・「56億7千万年の単純労働」
小野塚小町 こんなところで油売り
・「金と死は積もるほど忙しい」
登場する妖怪
東風谷早苗 闇市場のお陰で儲かった
・奇跡「ミラクルペンタクル」
十六夜咲夜 時を止めてもちゃんと買います
・時符「アイウィンクナイフヘル」
魂魄妖夢 カードを斬るのが好き
・剣技「血振るいの魍魎」
博麗霊夢 闇市場には興味が無い
・「満員御礼 弾貨大入り袋」
河城にとり 裏で動くの大好き
・兵器「ウォーター火炎放射器」
・「沢の流れのように」
(にとりは「空白のカード」を装備した場合のみ、確定でボスとして出現します。)
登場する妖怪
菅牧典 服が汚れるのは嫌い
・狐符「遅効性の管狐弾」
・狐符「管の中の邪悪」
飯綱丸龍 お祭り大好き大天狗
・星符「天真爛漫の星」
・風符「空々寂々の風」
クラウンピース 正直、迷子になってた
・極炎「地獄の釜の底の底」
・「ルナティックトーチリレー」
比那名居天子 天界より地上の方が好き
・要石「乾坤鳴動砲」
・要石「拡散乾坤鳴動砲」
(天子はクリア後まで出現しません。)
伊吹萃香 酒さえ呑めれば幸せ
・密符「稠密の隠形鬼」
・「鬼火の大将軍」
二ツ岩マミゾウ 夏は尻尾が暑い
・「空前絶後 大行列の闇市場」
・弾幕変化「妖怪生物群集」
驪駒早鬼 闇宴会に参加してた
・天星馬「ペガサスクロス」
・「爆発は筋力だ!」
姫虫百々世 妖怪に人気があるムカデ
・蠱毒「リボルトスウォーマー」
・「千切れもがき苦しむ蟲の怨み」
山城たかね 闇市場は私が開いた
・弾貨「バレットマネーグラット」
・葉技「スーパーグリーンスパイラル」
・「ブラックマーケットの万華鏡」
(たかねは「資本主義のジレンマ」を装備した場合のみ、確定でボスとして出現します。)
(百々世はクリア後まで出現しません。)
登場する妖怪
天弓千亦 もしかして仲間外れされてない?
・「正当なバレットマーケット」
・「闇市場のミシガンロール」
登場する妖怪
みんな
月虹闇市場について
「月虹闇市場」はクリア後に挑戦できるようになるステージです。
闇市場を仕切っていたたかねが魔理沙に敗れた後、市場の神である千亦は正式に闇市場を管理することになったらしく、元々「月虹市場」が開かれていた場所(「東方虹龍洞」でのステージ名は「誰の物でも無い夜空」)で闇市場の「月虹闇市場」が開かれることとなりました。
Challenge Marketという難易度表記の通り、このステージはクリア後の腕試し的なステージで、雑魚専のWeveとボス戦のWeveを6回ずつ、計12Weve繰り返す特殊な構成となっています。
ボス戦のWeveでは、今作に登場した通常ボスが1nd Marketから順にランダムで出現するため、各ステージのボスと一通り戦えるオールスターのようなステージです。
こうして見ると難しそうなステージに思えますが、実際にはWeve後の闇市場を利用すれば大量のカードを購入することができ、最終的には右下まで購入したカードで埋まることになるため、実際はストーリーをクリアできる実力がある人なら充分突破可能です。
そのため、「月虹闇市場」は非常に難しい高難易度ステージというより、大量のカードを装備して普通のステージでは出来ないことが出来る、お楽しみステージといった趣旨となっています。
ストーリー攻略
上記したように、今作のストーリーをクリアしてエンディングに到達するにはEnd of Market「月虹市場」を解放した上で、特殊な条件の中、天弓千亦、河城にとり、山城たかねを順番に撃破する必要があります。
今作ではボスを一人倒しさえすれば次のステージを解放できるため、強力なアビリティカードさえ知っていれば「月虹市場」にたどり着くのは比較的容易です。
↓通常のステージで使用できる強力な編成については、以前書いた記事に掲載されています。
ただ、それ以降は特殊な条件でステージを突破しないといけないため、初期装備カードの編成などもそのステージに合わせた独自のものにしなければいけません。
そこで、ストーリーで戦うことになる各ボスについて、あくまで一例ですが攻略方法を書いていこうと思います。
天弓千亦
天弓千亦が登場する「月虹市場」は、闇市場が開かれない特殊なステージとなっています。
闇市場でカードを買えないため、道中のWeveを戦っても自機が強化できず、ボス戦前に残機が削られるリスクのみがある厄介なステージとなります。
このステージの攻略の肝となるアビリティカードは、純孤の能力が込められたアビリティカードである「純粋な自己肯定感」です。
最大が350%であるコストの内、装備すると185%も占めてしまう非常に高コストなカードですが、その分効果も規格外のものとなっており、このカードを装備(購入)すると次のWeveをボス戦まで飛ばすことができます。
驚くことに今作ではこのカードを初期装備することができ、初期装備した場合にはステージを初めてすぐにボスに到達することができてしまいます。
そのため、闇市場の開かれないステージとの相性は抜群となっており、このカードを持ち込むだけで何度もボス戦のみに挑戦することができるようになるので、苦手な人でも道中に煩わされることなく好きなだけ練習を繰り返せます。
千亦は通常弾幕と2枚のスペルカードを使用してきます。
千亦の使用する弾幕の特徴としては、総じて密度が高い代わりに弾速は遅めという点が挙げられますので、要所要所で魔法陣や使用カードを上手く使いながら落ち着いて戦いましょう。
特に1枚目のスペルカードの「正当なバレットマーケット」は発生する弾幕のパターンが決まっているので、何度も練習すれば動きが見えてくるはずです。
千亦戦で「純粋な自己肯定感」以外におすすめの初期装備カードは、自衛用となる使用カードの「サイコキネシス」or「重低音バスドラム」や残機が増える「生命の豊穣」、コストが低い割に効果が強力な「濡れた大蛇」などです。
参考例
・純粋な自己肯定感
・サイコキネシス
・濡れた大蛇
・生命の豊穣
・鈴瑚印の団子
・肉体強化地蔵
・龍の通り道
河城にとり
河城にとりは、天弓千亦を倒すと手に入る「空白のカード」を装備して「守矢神社(闇縁日)」に行くと出現します。
「空白のカード」を装備すると、効果によって闇市場が開かれなくなるため、正攻法でプレイしようとするなら必然的に難易度は高くなります。
そこで、ここでも役に立つのが「純粋な自己肯定感」です。
初期装備カードに「純粋な自己肯定感」を組み込んだ編成は、千亦戦の物を参考にしてください。
ただし、コストが0%の「空白のカード」を1枠使って初期装備カードに入れなければならないため、微調整が必要となります。
参考例
・純粋な自己肯定感
・サイコキネシス
・濡れた大蛇
・生命の豊穣
・肉体強化地蔵
・山姥の包丁
・空白のカード
にとりも千亦と同じく、通常弾幕と2枚のスペルカードを使用してきます。
1枚目のスペルカードの兵器「ウォーター火炎放射器」がやや弾速が速く厄介ですが、こちらも何度もトライすれば道は開けるはずです。
山城たかね
山城たかねは、河城にとりを倒すと手に入る「資本主義のジレンマ」を装備して「虹龍洞」に行くと出現します。
「資本主義のジレンマ」を装備すると闇市場の価格がランダムとなり、大半の場合は実質的な値上げとなってしまうため、思うようにカードを買い集められなくなります。
ただし、逆に言えば「不死鳥の尾」や「地底の太陽」などの強力なカードを安価で購入できる可能性もあるほか、有力な「けしかける狛犬」なども値段は変動するとはいえラインナップには並ぶので、運次第ですが強力な編成を組むことも十分可能です。
カードの品揃えだけでなく値段までランダムになる都合上、通常のステージより運に左右される要素が増えますので、万全の状態でたかねに挑むには試行回数がものを言うステージとなります。
たかね戦での初期装備カードは、後からカードを買い集められるので、コスト50%の「資本主義のジレンマ」が必須なことを除けばほぼ自由に選べます。
「純粋な自己肯定感」で道中Weveを飛ばすことも勿論可能ですが、たかねのスペルカードが他のボスより1枚多いことと、「資本主義のジレンマ」で少なからずコストを圧迫される事情もあるので、ここでは「純粋な自己肯定感」はあまりお勧めできません。
たかねは通常弾幕の他に、ラスボスらしく今作で唯一スペルカードを3枚使用してきます。
しかし、値段は滅茶苦茶とはいえ闇市場は使えるため、ここまでたどり着けた人なら満足のいく編成さえ組めれば勝ち目は充分にあるでしょう。
最終スペルカードの「ブラックマーケットの万華鏡」に備えて、残機や「地底の太陽」などを温存できていれば勝利は目前です。
音楽
「バレットフィリア達の闇市場」には10曲の楽曲が収録されています。
その内新規の楽曲は6曲となり、残りの4曲は過去作からの再録となります。
・コレクターの憂鬱な午後
・ワクワクする見慣れた幻想郷
・妖怪フックオン
・闇市場は場所を選ばない
・弾幕を持て、バレットフィリア達よ
・100回目のブラックマーケット
・ルナティックドリマー(再録)
・ルナレインボー(再録)
・あの賑やかな市場は今どこに ~ Immemorial Marketeers(再録)
・虹色の世界(再録)
感想や考察など
ゲームシステム
「バレットフィリア達の闇市場」では、ナンバリング上の前作となる「東方虹龍洞」から引き続きアビリティカードがシステムとして採用されました。
「東方虹龍洞」と比べてカードの枚数が約1.5倍以上に増えたことだけでなく、初期装備コストの設定や全体的な装備できるカード枚数の増加、ステージで稼いだお金の持ち越しなど、各種のシステムが洗礼された感が強く、アビリティカードを活用するゲームとしては完成形と言っても過言ではないかもしれません。
ゲームとしては、アビリティカードを大量に装備できることや新システムの魔法陣が強力なこと、敵の弾幕がそこまで激しくないことから全体的な難易度は控えめとなっており、NORMAL~EASYシューターでも充分クリアを狙えるゲームとなっています。
終盤のストーリーは、カードや闇市場に頼り過ぎるプレイヤーを見越したかのような展開となっていますが、初期装備カードを工夫するなど対抗策はあります。
練習も兼ねて、「純粋な自己肯定感」を上手く活用しましょう。
総評として、「バレットフィリア達の闇市場」は非常に面白いゲームでした。
好きなように自機をカスタマイズして遊べるという意味では、前作「東方虹龍洞」以上に自由度があり、その上カードや魔法陣のお陰で自機が強いため爽快感のあるプレイが味わえます。
集めたお金をメニュー画面に持ち越せるというのもSTGとしては斬新で、分かりやすくゲームを進めている感覚を得られました。
このような面から、今作はSTG初心者にもお勧めなゲームとなっていますので、興味があってまだ買っていない方はぜひ遊んでみましょう。
登場キャラクター
「バレットフィリア達の闇市場」には自機である霧雨魔理沙の他に、小数点ナンバリングSTGらしく敵として27名ものキャラクターが登場しました。
小数点ナンバリングとしての前作「秘封ナイトメアダイアリー」以降に発売された「東方鬼形獣」と「東方虹龍洞」のキャラクターも数多く登場しているほか、いわゆる自機組の人間達やチルノなどWindows版初期のキャラクターなど幅広い層のキャラクターが登場しました。
登場キャラクターの選定についてはステージに合わせていると思われる面もあり、意外なキャラクターも久しぶりに登場したため、過去キャラの掘り下げという面でも価値のある作品となっています。
反面、「東方鬼形獣」と「東方虹龍洞」の新キャラクターの中では、吉弔八千慧、杖刀偶磨弓、埴安神袿姫、駒草山如、玉造魅須丸が未登場となりました。
それらのキャラクターは、ステージの都合で出すのが難しかった面もあるかと思われますので、今後の登場に期待しましょう。
ストーリー
今作は魔理沙が単独自機という、これまでにない小数点ナンバリングSTGとなりました。
当然ストーリーも魔理沙視点の物となり、魔理沙の蒐集家としての一面がゲーム部分でここまでクローズアップされたのも単独自機ならではです。
ストーリーを結論から纏めると、闇市場は山童のたかねが単にビジネスとして行っていた経済活動というオチでした。
たかね自身も悪意を持って行動していたわけではなく、終わり方も見事な大団円であり、「誰も損をしてないんだから」「幻想郷の皆が弾幕を楽しめるなら」それでいいというナレーションの通り、お祭り作品らしく非常に後味の良い結末でした。
まさに、「コミックマーケット100」を記念するに相応しいストーリーだったかと思います。
今作でストーリーに大きく関わったキャラクターは、闇市場の黒幕であったたかねとそれに敵対するにとり、市場のコントロールを司る千亦でした。
たかねがラスボスというのは意外な人選であり、河童と山童の争いがピックアップされるなどにとりも大きな出番を得ましたが、今作で一番活躍したのはある意味千亦だったかもしれません。
二つ名の「もしかして仲間外れされてない?」や、市場の神である自分が関与していない闇市場を山童に上手くコントロールされるなど、一見すると対応が後手後手に回っているように見えた千亦ですが、実際そうなのかというと怪しい部分があります。
例えば、「空白のカード」のテキストでは千亦がやろうと思えば闇市場を簡単に中止に出来たことが示唆されていたり、クリア後に「月虹闇市場」をちゃっかり管理していたりと、市場の神としての力を感じさせる描写がいくつもありました。
初登場の「東方虹龍洞」では実力を測りきれない面があった千亦ですが、今作では評価が上がったキャラクターとなりそうです。
アビリティカードのルール
前作「東方虹龍洞」で異変の題材となったアビリティカードですが、その正体は大天狗の飯綱丸龍が市場の神である天弓千亦と組み、ビジネスのために流通させた単なる無害な娯楽物でした。
そのためアビリティカードは元来、市場の神のルールに則って購入された場合のみ能力を持つように設計されており、いずれはただの紙切れになるはずの物でした。
しかし、今作でアビリティカードは市場の神が介入できない闇市場にて取引されているうえ、カードに込められた能力の方も失われずに問題なく効果を発揮しているなどしており、不測の事態が起こっていることは明白でした。
では、何故市場の神のコントロールから外れてもなお、アビリティカードは機能したのでしょうか。
推測ですが、その理由はアビリティカードの性質にあったのかもしれません。
一見すると好き勝手に開かれていたように思えた闇市場ですが、実際には山童が仕切っており、闇市場には闇市場独自のルールが定められていました。
市場の神が定めたものではないとはいえ、ルールはルール。
山童がどこまで考えていたのかは分かりませんが、闇市場がしっかりとルールに則って取引する場所だったことは、結果的にアビリティカードに効力を与えたのかもしれません。
今作のストーリーは、「東方虹龍洞」から直接続く続編となっています。
前作のラスト、市場の神である天弓千亦によって普及とともに陳腐化し効力が失われることが示唆されたアビリティカードですが、何故か世に溢れたカードの効力は失われませんでした。
それどころかカードの価値は増す一方となり、ついには市場の神が介入が出来ない闇市場が開かれるようになりました。
そんな中、蒐集家としてカードの蒐集も兼ねて霧雨魔理沙が闇市場の調査に乗り出したことから、今作のストーリーは始まります。
今作でチュートリアルを担当するのは豪徳寺ミケとなります。
前作では正規のカードの売人だったミケですが、今作では闇市場にも関わっており、チュートリアルでは魔理沙に闇市場のルールを教える役割を果たしました。
小数点ナンバリングSTGである今作は全体的に会話数が少ないため、結果的にミケは数少ないストーリーに直接登場したキャラクターとなりました。
ストーリーの結末
6カ所の闇市場を巡った魔理沙は、最終的に月虹市場にたどり着くことになります。
月虹市場とは前作「東方虹龍洞」の最終ステージのタイトル(ステージ名は誰の物でも無い夜空)で、本来なら正当な市場が開かれる場所でもあります。
End of Marketとなるこの月虹市場は特殊なステージとなっており、各Weveの間に闇市場が開かれません。
辺りが虹色に輝くことで闇市場が中止される月虹市場で魔理沙を待ち構えていたのは、市場の神である天弓千亦でした。
闇市場を利用せずに千亦を倒し実力を証明した魔理沙は、千亦に闇市場を仕組んで操っている黒幕が山童の山城たかねであることを教えてもらいました。
表向きは機能しているように見える闇市場の実態は山童の経済活動であり、実は山童しか儲かっていないため、千亦曰く非常に危うい市場のコントロールだそうです。
千亦には協力者がいるらしく、その人物は闇市場に参加するフリをして隠れているとのことです。
そのため、千亦に「空白のカード」を渡された魔理沙は、それを装備して守矢神社の闇縁日に向かうよう指示されました。
前作でもキーアイテムとなった「空白のカード」は、設定上所有権を操作できる唯一のアビリティカードであり、今作では闇市場が開かれなくなる能力を持っています。
実用性は低かったとはいえ、一応カードを手に入れる効果があった前作とは違い、今作の「空白のカード」の闇市場が開かれなくなるという効果は完全にデメリットでしかなく、ストーリーの都合で装備することになるこの機会以外では、ほとんどの人がもう二度と装備することは無いと思われます。
守矢神社の闇縁日に隠れていた千亦の協力者は、河童の河城にとりでした。
山童のライバルである河童のにとりは、山童が闇市場を独占していることを良く思っておらず、機を見て闇市場を乗っ取ろうとしていました。
勝負の末、魔理沙はにとりに秘策となるあるアビリティカードを渡され、たかねが虹龍洞に潜んでいることを教えられます。
にとりが用意していた秘策とは、「資本主義のジレンマ」という闇市場の値段がランダムに変わってしまう、とても恐ろしい能力を持ったアビリティカードでした。
「資本主義のジレンマ」によって闇市場のカードの値段が滅茶苦茶になった虹龍洞を進んでいくと、自分が仕切る闇市場の異常に気付いたたかねが姿を現します。
闇市場の混乱が市場の神の計画であることを知ったたかねは、魔理沙の予想に反して負けを認め降参を申し出ました。
ビジネスで闇市場を開いていたたかねからすれば、金にならない争いをする必要はどこにもなかったのです。
しかし、ここまで調査してきた魔理沙が、このような結末で納得するはずもなく、結局たかねは魔理沙と戦闘をすることになります。
そして、魔理沙はしっかりと戦った上でたかねを降参させ、闇市場はこれで崩壊するものと思われましたが、ここで大きなどんでん返しが起こります。
闇市場でカードを集めきりたかった魔理沙は、たかねに交渉を持ち掛け、もうちょっとだけ闇市場を続けるよう頼んだのでした。
開かれていても特に危険な事が起こるわけでもなく、山童が得をしたとしても他の誰が損をするわけでもない闇市場を、魔理沙は問題ないと考えたのです。
幻想郷の皆が弾幕を楽しめて、誰も損していないならそれでいい。「バレットフィリア達の闇市場」のストーリーはこうして幕を閉じ、100回目の「コミックマーケット」記念作品らしい明るい終わり方となりました。
たかねを倒すと貰えるアビリティカードは「百回目のブラックマーケット」です。
「百回目のブラックマーケット」は、手に入れてないカードがステージクリア時に確定で出る能力を持っており、カード集める際非常に役立ちます。
名前の方も100回目の開催となる「コミックマーケット」を記念したものとなっており、ストーリーをクリアしたご褒美の意味合いが強いカードです。
ステージ&登場キャラクター
「バレットフィリア達の闇市場」では、「秘天崖」や「霧の湖」などこれまで東方Projectに登場したことのあるステージを闇市場の調査のため魔理沙が巡ることになります。
各ステージにはDifficulty(難易度)が定められており、星の数が多いほど難しいステージとなります。
ステージの最後に登場するボスは、基本的に複数人の中からランダムに出現する形式となっているほか、前述したようにストーリーの都合で特定のアビリティカードを装備しないと遭遇出来ないキャラクターもおり、それ以外にもクリア後のみ登場するキャラクターもいます。
メニュー画面では、登場するボスについて「登場する妖怪」と表記されていますが、実際には人間など妖怪以外の種族のキャラクターが登場するステージもあります。
また、今作でも「東方文花帖」系列の小数点ナンバリングSTGで恒例となっている、一風変わった二つ名が各キャラクターに設定されているほか、ボスを撃破した場合は魔理沙によるそのキャラクターへの一言コメントが見れるようになっています。
各キャラクターが使用するスペルカードも、チュートリアルを除けば全て新規の物となっていますので、ゲームを進めることで登場キャラクターの新たな一面を垣間見ることが出来ます。
Tutorial
初めての闇取引
Difficulty ★
登場する妖怪
豪徳寺ミケ
招符「弾幕万来」
(ステージ名は「初めての闇取引」ですが、背景からすると場所は「東方紺珠伝」STAGE1の「妖怪の山麓」です。)
1nd Market
秘天崖
Difficulty ★
登場する妖怪
豪徳寺ミケ ヤミイチだって招き猫
・金符「三毛猫に小判」
秋穣子 焼き芋と交換しない?
・秋符「五穀豊穣波」
エタニティラルバ 美しい虫だけど毒は無し
・蝶符「デッドリーバタフライ」
坂田ネムノ 山姥は闇市場が好き
・包丁「刃こぼれするまで切り刻め」
2nd Market
霧の湖
Difficulty ★★
登場する妖怪
チルノ 無邪気は正義
・「パーフェクトフリィィィズ!」
わかさぎ姫 保存すべき水産資源
・歌符「人魚の歌」
牛崎潤美 お魚食べて健康体
・「剽掠のさざ波」
赤蛮奇 肩こり無用のろくろ首
・「身軽な生首ライフ」
3rd Market
賽の河原
Difficulty ★★★
登場する妖怪
戎瓔花 ふよふよ系河原アイドル
・石符「エイジャの積石」
庭渡久侘歌 早起き強制しちゃうよ
・「命の分水嶺」
矢田寺成美 お地蔵さんって退屈
・「56億7千万年の単純労働」
小野塚小町 こんなところで油売り
・「金と死は積もるほど忙しい」
4th Market
守矢神社(闇縁日)
Difficulty ★★★★
登場する妖怪
東風谷早苗 闇市場のお陰で儲かった
・奇跡「ミラクルペンタクル」
十六夜咲夜 時を止めてもちゃんと買います
・時符「アイウィンクナイフヘル」
魂魄妖夢 カードを斬るのが好き
・剣技「血振るいの魍魎」
博麗霊夢 闇市場には興味が無い
・「満員御礼 弾貨大入り袋」
河城にとり 裏で動くの大好き
・兵器「ウォーター火炎放射器」
・「沢の流れのように」
(にとりは「空白のカード」を装備した場合のみ、確定でボスとして出現します。)
5th Market
妖怪の山
Difficulty ★★★★★
登場する妖怪
菅牧典 服が汚れるのは嫌い
・狐符「遅効性の管狐弾」
・狐符「管の中の邪悪」
飯綱丸龍 お祭り大好き大天狗
・星符「天真爛漫の星」
・風符「空々寂々の風」
クラウンピース 正直、迷子になってた
・極炎「地獄の釜の底の底」
・「ルナティックトーチリレー」
比那名居天子 天界より地上の方が好き
・要石「乾坤鳴動砲」
・要石「拡散乾坤鳴動砲」
(天子はクリア後まで出現しません。)
6th Market
虹龍洞
Difficulty ★★★★★★
伊吹萃香 酒さえ呑めれば幸せ
・密符「稠密の隠形鬼」
・「鬼火の大将軍」
二ツ岩マミゾウ 夏は尻尾が暑い
・「空前絶後 大行列の闇市場」
・弾幕変化「妖怪生物群集」
驪駒早鬼 闇宴会に参加してた
・天星馬「ペガサスクロス」
・「爆発は筋力だ!」
姫虫百々世 妖怪に人気があるムカデ
・蠱毒「リボルトスウォーマー」
・「千切れもがき苦しむ蟲の怨み」
山城たかね 闇市場は私が開いた
・弾貨「バレットマネーグラット」
・葉技「スーパーグリーンスパイラル」
・「ブラックマーケットの万華鏡」
(たかねは「資本主義のジレンマ」を装備した場合のみ、確定でボスとして出現します。)
(百々世はクリア後まで出現しません。)
End of Market
月虹市場
Difficulty ★★★★
登場する妖怪
天弓千亦 もしかして仲間外れされてない?
・「正当なバレットマーケット」
・「闇市場のミシガンロール」
Challenge Market
月虹闇市場
Difficulty ???
Difficulty ???
登場する妖怪
みんな
月虹闇市場について
「月虹闇市場」はクリア後に挑戦できるようになるステージです。
闇市場を仕切っていたたかねが魔理沙に敗れた後、市場の神である千亦は正式に闇市場を管理することになったらしく、元々「月虹市場」が開かれていた場所(「東方虹龍洞」でのステージ名は「誰の物でも無い夜空」)で闇市場の「月虹闇市場」が開かれることとなりました。
Challenge Marketという難易度表記の通り、このステージはクリア後の腕試し的なステージで、雑魚専のWeveとボス戦のWeveを6回ずつ、計12Weve繰り返す特殊な構成となっています。
ボス戦のWeveでは、今作に登場した通常ボスが1nd Marketから順にランダムで出現するため、各ステージのボスと一通り戦えるオールスターのようなステージです。
こうして見ると難しそうなステージに思えますが、実際にはWeve後の闇市場を利用すれば大量のカードを購入することができ、最終的には右下まで購入したカードで埋まることになるため、実際はストーリーをクリアできる実力がある人なら充分突破可能です。
そのため、「月虹闇市場」は非常に難しい高難易度ステージというより、大量のカードを装備して普通のステージでは出来ないことが出来る、お楽しみステージといった趣旨となっています。
ストーリー攻略
上記したように、今作のストーリーをクリアしてエンディングに到達するにはEnd of Market「月虹市場」を解放した上で、特殊な条件の中、天弓千亦、河城にとり、山城たかねを順番に撃破する必要があります。
今作ではボスを一人倒しさえすれば次のステージを解放できるため、強力なアビリティカードさえ知っていれば「月虹市場」にたどり着くのは比較的容易です。
↓通常のステージで使用できる強力な編成については、以前書いた記事に掲載されています。
ただ、それ以降は特殊な条件でステージを突破しないといけないため、初期装備カードの編成などもそのステージに合わせた独自のものにしなければいけません。
そこで、ストーリーで戦うことになる各ボスについて、あくまで一例ですが攻略方法を書いていこうと思います。
天弓千亦
天弓千亦が登場する「月虹市場」は、闇市場が開かれない特殊なステージとなっています。
闇市場でカードを買えないため、道中のWeveを戦っても自機が強化できず、ボス戦前に残機が削られるリスクのみがある厄介なステージとなります。
このステージの攻略の肝となるアビリティカードは、純孤の能力が込められたアビリティカードである「純粋な自己肯定感」です。
最大が350%であるコストの内、装備すると185%も占めてしまう非常に高コストなカードですが、その分効果も規格外のものとなっており、このカードを装備(購入)すると次のWeveをボス戦まで飛ばすことができます。
驚くことに今作ではこのカードを初期装備することができ、初期装備した場合にはステージを初めてすぐにボスに到達することができてしまいます。
そのため、闇市場の開かれないステージとの相性は抜群となっており、このカードを持ち込むだけで何度もボス戦のみに挑戦することができるようになるので、苦手な人でも道中に煩わされることなく好きなだけ練習を繰り返せます。
千亦は通常弾幕と2枚のスペルカードを使用してきます。
千亦の使用する弾幕の特徴としては、総じて密度が高い代わりに弾速は遅めという点が挙げられますので、要所要所で魔法陣や使用カードを上手く使いながら落ち着いて戦いましょう。
特に1枚目のスペルカードの「正当なバレットマーケット」は発生する弾幕のパターンが決まっているので、何度も練習すれば動きが見えてくるはずです。
千亦戦で「純粋な自己肯定感」以外におすすめの初期装備カードは、自衛用となる使用カードの「サイコキネシス」or「重低音バスドラム」や残機が増える「生命の豊穣」、コストが低い割に効果が強力な「濡れた大蛇」などです。
参考例
・純粋な自己肯定感
・サイコキネシス
・濡れた大蛇
・生命の豊穣
・鈴瑚印の団子
・肉体強化地蔵
・龍の通り道
「純粋な自己肯定感」で最大コストの半分以上と1枠を使ってしまうため、使用できるカードは限られますが、コストの低いショット強化や魔法陣強化のカードで上手く枠を埋めましょう。
ただし、「サイコキネシス」or「重低音バスドラム」と「濡れた大蛇」は、よほどのことがない限り採用した方がいいです。
河城にとり
河城にとりは、天弓千亦を倒すと手に入る「空白のカード」を装備して「守矢神社(闇縁日)」に行くと出現します。
「空白のカード」を装備すると、効果によって闇市場が開かれなくなるため、正攻法でプレイしようとするなら必然的に難易度は高くなります。
そこで、ここでも役に立つのが「純粋な自己肯定感」です。
初期装備カードに「純粋な自己肯定感」を組み込んだ編成は、千亦戦の物を参考にしてください。
ただし、コストが0%の「空白のカード」を1枠使って初期装備カードに入れなければならないため、微調整が必要となります。
参考例
・純粋な自己肯定感
・サイコキネシス
・濡れた大蛇
・生命の豊穣
・肉体強化地蔵
・山姥の包丁
・空白のカード
にとりも千亦と同じく、通常弾幕と2枚のスペルカードを使用してきます。
1枚目のスペルカードの兵器「ウォーター火炎放射器」がやや弾速が速く厄介ですが、こちらも何度もトライすれば道は開けるはずです。
山城たかね
山城たかねは、河城にとりを倒すと手に入る「資本主義のジレンマ」を装備して「虹龍洞」に行くと出現します。
「資本主義のジレンマ」を装備すると闇市場の価格がランダムとなり、大半の場合は実質的な値上げとなってしまうため、思うようにカードを買い集められなくなります。
ただし、逆に言えば「不死鳥の尾」や「地底の太陽」などの強力なカードを安価で購入できる可能性もあるほか、有力な「けしかける狛犬」なども値段は変動するとはいえラインナップには並ぶので、運次第ですが強力な編成を組むことも十分可能です。
カードの品揃えだけでなく値段までランダムになる都合上、通常のステージより運に左右される要素が増えますので、万全の状態でたかねに挑むには試行回数がものを言うステージとなります。
たかね戦での初期装備カードは、後からカードを買い集められるので、コスト50%の「資本主義のジレンマ」が必須なことを除けばほぼ自由に選べます。
「純粋な自己肯定感」で道中Weveを飛ばすことも勿論可能ですが、たかねのスペルカードが他のボスより1枚多いことと、「資本主義のジレンマ」で少なからずコストを圧迫される事情もあるので、ここでは「純粋な自己肯定感」はあまりお勧めできません。
たかねは通常弾幕の他に、ラスボスらしく今作で唯一スペルカードを3枚使用してきます。
しかし、値段は滅茶苦茶とはいえ闇市場は使えるため、ここまでたどり着けた人なら満足のいく編成さえ組めれば勝ち目は充分にあるでしょう。
最終スペルカードの「ブラックマーケットの万華鏡」に備えて、残機や「地底の太陽」などを温存できていれば勝利は目前です。
音楽
「バレットフィリア達の闇市場」には10曲の楽曲が収録されています。
その内新規の楽曲は6曲となり、残りの4曲は過去作からの再録となります。
・コレクターの憂鬱な午後
・ワクワクする見慣れた幻想郷
・妖怪フックオン
・闇市場は場所を選ばない
・弾幕を持て、バレットフィリア達よ
・100回目のブラックマーケット
・ルナティックドリマー(再録)
・ルナレインボー(再録)
・あの賑やかな市場は今どこに ~ Immemorial Marketeers(再録)
・虹色の世界(再録)
感想や考察など
ゲームシステム
「バレットフィリア達の闇市場」では、ナンバリング上の前作となる「東方虹龍洞」から引き続きアビリティカードがシステムとして採用されました。
「東方虹龍洞」と比べてカードの枚数が約1.5倍以上に増えたことだけでなく、初期装備コストの設定や全体的な装備できるカード枚数の増加、ステージで稼いだお金の持ち越しなど、各種のシステムが洗礼された感が強く、アビリティカードを活用するゲームとしては完成形と言っても過言ではないかもしれません。
ゲームとしては、アビリティカードを大量に装備できることや新システムの魔法陣が強力なこと、敵の弾幕がそこまで激しくないことから全体的な難易度は控えめとなっており、NORMAL~EASYシューターでも充分クリアを狙えるゲームとなっています。
終盤のストーリーは、カードや闇市場に頼り過ぎるプレイヤーを見越したかのような展開となっていますが、初期装備カードを工夫するなど対抗策はあります。
練習も兼ねて、「純粋な自己肯定感」を上手く活用しましょう。
総評として、「バレットフィリア達の闇市場」は非常に面白いゲームでした。
好きなように自機をカスタマイズして遊べるという意味では、前作「東方虹龍洞」以上に自由度があり、その上カードや魔法陣のお陰で自機が強いため爽快感のあるプレイが味わえます。
集めたお金をメニュー画面に持ち越せるというのもSTGとしては斬新で、分かりやすくゲームを進めている感覚を得られました。
このような面から、今作はSTG初心者にもお勧めなゲームとなっていますので、興味があってまだ買っていない方はぜひ遊んでみましょう。
登場キャラクター
「バレットフィリア達の闇市場」には自機である霧雨魔理沙の他に、小数点ナンバリングSTGらしく敵として27名ものキャラクターが登場しました。
小数点ナンバリングとしての前作「秘封ナイトメアダイアリー」以降に発売された「東方鬼形獣」と「東方虹龍洞」のキャラクターも数多く登場しているほか、いわゆる自機組の人間達やチルノなどWindows版初期のキャラクターなど幅広い層のキャラクターが登場しました。
登場キャラクターの選定についてはステージに合わせていると思われる面もあり、意外なキャラクターも久しぶりに登場したため、過去キャラの掘り下げという面でも価値のある作品となっています。
反面、「東方鬼形獣」と「東方虹龍洞」の新キャラクターの中では、吉弔八千慧、杖刀偶磨弓、埴安神袿姫、駒草山如、玉造魅須丸が未登場となりました。
それらのキャラクターは、ステージの都合で出すのが難しかった面もあるかと思われますので、今後の登場に期待しましょう。
ストーリー
今作は魔理沙が単独自機という、これまでにない小数点ナンバリングSTGとなりました。
当然ストーリーも魔理沙視点の物となり、魔理沙の蒐集家としての一面がゲーム部分でここまでクローズアップされたのも単独自機ならではです。
ストーリーを結論から纏めると、闇市場は山童のたかねが単にビジネスとして行っていた経済活動というオチでした。
たかね自身も悪意を持って行動していたわけではなく、終わり方も見事な大団円であり、「誰も損をしてないんだから」「幻想郷の皆が弾幕を楽しめるなら」それでいいというナレーションの通り、お祭り作品らしく非常に後味の良い結末でした。
まさに、「コミックマーケット100」を記念するに相応しいストーリーだったかと思います。
今作でストーリーに大きく関わったキャラクターは、闇市場の黒幕であったたかねとそれに敵対するにとり、市場のコントロールを司る千亦でした。
たかねがラスボスというのは意外な人選であり、河童と山童の争いがピックアップされるなどにとりも大きな出番を得ましたが、今作で一番活躍したのはある意味千亦だったかもしれません。
二つ名の「もしかして仲間外れされてない?」や、市場の神である自分が関与していない闇市場を山童に上手くコントロールされるなど、一見すると対応が後手後手に回っているように見えた千亦ですが、実際そうなのかというと怪しい部分があります。
例えば、「空白のカード」のテキストでは千亦がやろうと思えば闇市場を簡単に中止に出来たことが示唆されていたり、クリア後に「月虹闇市場」をちゃっかり管理していたりと、市場の神としての力を感じさせる描写がいくつもありました。
初登場の「東方虹龍洞」では実力を測りきれない面があった千亦ですが、今作では評価が上がったキャラクターとなりそうです。
闇市場について
(正規の)市場をテーマとした前作「東方虹龍洞」に続き、「バレットフィリア達の闇市場」では闇市場がストーリーの重要な要素となりました。
市場の神の管理が及ばない闇市場では、通貨も弾貨と呼ばれる独自の物が使用されていました。
弾貨は闇市場とともに幻想郷の各地へ広まっており、守矢神社ではカードの闇取引が行われる闇縁日まで開かれていました。
(ゲームシステムとの兼ね合いもあるので、どこまで設定に反映されているのかは不明瞭ですが)ステージクリア後に弾貨を正規の市場で使われているお金と交換できるなど、闇市場を取り巻く環境には為替的な概念もあるようです。
ゲーム内ではそこまで踏み込まれていないので推測となりますが、山童が作り出した闇市場で自分たちにのみ利益を生み出す仕組みの核となったのは、独自通貨である弾貨の可能性があります。
正規のカード市場を作った天狗の飯綱丸龍が千亦と組んで独自の通貨システムを整備したように、弾貨は闇市場とセットになった経済システムであり、市場で使用される通貨の流通量などを調整して価値を自由に操ることが出来れば、実質的に市場に流通する商品の価値も自由に操作することが出来ます。
だからこそ、カードの価格を滅茶苦茶にするにとりのアビリティカード「資本主義のジレンマ」の存在は、たかねに闇市場でのビジネスを一度は諦めさせるほどのものとなったのでしょう。アビリティカードのルール
前作「東方虹龍洞」で異変の題材となったアビリティカードですが、その正体は大天狗の飯綱丸龍が市場の神である天弓千亦と組み、ビジネスのために流通させた単なる無害な娯楽物でした。
そのためアビリティカードは元来、市場の神のルールに則って購入された場合のみ能力を持つように設計されており、いずれはただの紙切れになるはずの物でした。
しかし、今作でアビリティカードは市場の神が介入できない闇市場にて取引されているうえ、カードに込められた能力の方も失われずに問題なく効果を発揮しているなどしており、不測の事態が起こっていることは明白でした。
では、何故市場の神のコントロールから外れてもなお、アビリティカードは機能したのでしょうか。
推測ですが、その理由はアビリティカードの性質にあったのかもしれません。
一見すると好き勝手に開かれていたように思えた闇市場ですが、実際には山童が仕切っており、闇市場には闇市場独自のルールが定められていました。
市場の神が定めたものではないとはいえ、ルールはルール。
山童がどこまで考えていたのかは分かりませんが、闇市場がしっかりとルールに則って取引する場所だったことは、結果的にアビリティカードに効力を与えたのかもしれません。
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