この記事では、2022年9月24日に投票が終了し、速報版の結果が公表された「第18回東方Project人気投票」についての感想や考察などを書いてみたいと思います。
なお、本記事の各種データの出典元となるのは、「第18回東方Project人気投票」の速報版となります。
後日公開予定となっているコメントや他項目との相関などを記載した詳細版の内容は含まれませんのでご理解ください。
なお、本記事の各種データの出典元となるのは、「第18回東方Project人気投票」の速報版となります。
後日公開予定となっているコメントや他項目との相関などを記載した詳細版の内容は含まれませんのでご理解ください。
【発表】
— 東方Project人気投票 (@toho_vote) September 24, 2022
第18回東方Project人気投票、速報版結果発表です!
速報版結果発表:https://t.co/qg6gKdFM3N
なお、詳細版(コメント、他項目との相関などを記載したもの)を後日公開予定です!
皆さん、是非お確かめください!
#toho_vote18
東方Project人気投票とは
現在、投票部門としては人妖部門、音楽部門、作品部門の3部門が存在しており、それに加えてアンケートも集計されています。
人妖部門は7キャラクター、音楽部門は10曲、作品部門は5作品まで投票可能で、それぞれの部門で2ポイントとなる一押しをその中から1つだけ選ぶことができます。
「東方Project人気投票」の3部門が、上記の条件で開催されるようになったのは、第12回からとなっています。
基本的に第12回以降は人妖部門、音楽部門、作品部門が全く同じ条件で開催され続けているため、それらの部門はポイント数まで含めて比較をすることができます。
投票数
今回の「第18回東方Project人気投票」の投票数は人妖部門が51,652票、音楽部門が37,659票、作品部門が28,558票でした。
特定の部門にのみ投票する人がいるため厳密な参加者数は割り出せませんが、「第18回東方Project人気投票」に最低でも51,652人以上が参加したこととなります。
例年最も投票数の多い部門である過去の人妖部門(旧キャラクター部門)と比較しても、51,652票というのは圧倒的に多く、歴代2位の第9回(43,737票)や歴代3位の第12回(42,419票)を抑えて断トツ1位の参加者数となりました。
40,363票だった前回の第17回と比べても約11,000票以上の増加となっており、大雑把に計算しても前回比で約125%の増加率です。
得票数が50,000票の大台に載ったのは、「東方Project人気投票」の長い歴史の中で今回が初めてとなり、過去最大規模の人気投票となりました。
ここまで参加者が増えた理由には、前回の記事でも掲載した以下の3点など複数の要因が考えられますが、詳しくは記事の最後に後述したいです。
・「東方ステーション」とのコラボによる告知の増加
・TwitterまたはGoogleのアカウントでログインして投票できるようになり参加ハードルが低下した
・許諾を得た商業向け二次創作や様々なコラボ企画の増加によって東方に触れる窓口が増えた
むしろ、特筆すべき点として挙げられるのは、今回の「第18回東方Project人気投票」が開催された2022年は、整数ナンバリングSTGが頒布された年ではない点です。
確かに「東方剛欲異聞」と「虹色のセプテントリオン」、「バレットフィリア達の闇市場」は今回が実質的な初登場で、饕餮尤魔と宮出口瑞霊の新キャラクター2名も初参加となるとはいえ、整数ナンバリングSTGが頒布されない年は投票数が少なくなるという近年のジンクスが見事に破られたこととなります。
注目を集める条件としては逆風と言える状況の中、得票数を11,000票以上増やしたことには、何かしらの意味がある気がします。
人妖部門
前述の通り、「第18回東方Project人気投票」の人妖部門の投票数は51,652票でした。
投票対象が208キャラクターもいる都合上、全てのキャラクターを取り上げることは難しいので、いくつかの点に着目してピックアップしてみようと思います。
まず、上位7キャラクターについてです。
・1位 フランドール・スカーレット
・6位 古明地こいし
・7位 レミリア・スカーレット
なぜこの7キャラクターに絞ったのかというと、1位から7位までは第11回から顔ぶれが変わっておらず、8位以下とは数千単位でポイント差が付くなど毎回別格の人気となっているからです。
参考までに、7位のレミリア・スカーレットは12,981ポイント、8位の藤原妹紅は8,728ポイントと非常に離れており、1位のフランドール・スカーレットが16,723ポイントなのを考慮すると、1位から7位までより、7位から8位までの方がポイント数が離れていることになります。
これらの上位7名の牙城は、投票数が11,000票以上増えても依然として健在であり、人気投票の新規参加者が増えても一定以上の支持を集めているようです。
「第18回東方Project人気投票」の人妖部門で栄えある1位を獲得したのは、フランドール・スカーレットでした。
フランは今回が初の1位、それどころか第17回までの最高順位が5位という中での快挙となりました。
なぜここまでフランの順位が上がったのか。
大きな理由として挙げられそうなのは、「東方剛欲異聞」でプレイアブルキャラクターに抜擢され、ストーリー上でも重要な役割を果たした点です。
これまで原作でスポットライトが当たる機会が多いとは言えなかったフランも、ここに来てようやく大きな追い風が吹いたことの影響は大きそうです。
続いて、「第18回東方Project人気投票」で初参加となった2キャラクターの順位を見ていきましょう。
・53位 饕餮尤魔
・138位 宮出口瑞霊
「東方剛欲異聞」で初登場した饕餮尤魔が53位、「東方智霊奇伝」で初登場した宮出口瑞霊が138位という結果となりました。
剛欲同盟の同盟長である尤魔は、元ネタである饕餮及び羊を擬人化したような外見のキャラクターで、ギザギザの歯や横長の瞳孔など、これまでの東方キャラでは見られなかった外見的な特徴を持っています。
饕餮という苗字(種族名)のみ「東方鬼形獣」で語られた後、満を持して登場した「東方剛欲異聞」ではラスボスを務めました。
ストーリーの重要人物として活躍しただけでなく、個性的なデザインや無敗の名に恥じぬ強さ、意外と多い他キャラとの関係など目立つ点も多く、今回の人気投票でも53位にランクインしました。
参考までに、その他の畜生界の動物霊組織のトップは初登場時(第16回)、吉弔八千慧が46位、驪駒早鬼が76位にそれぞれランクインしており、一定の支持を集めていることが分かります。
宮出口瑞霊は「東方智霊奇伝」で初登場した怨霊で、作中に起きた一連の事件の犯人です。
瑞霊の外見で最も特徴的なのはその脚で、脚の途中(膝の下あたり?)から先が存在せず、地面から常時浮遊しているなど、怨霊らしい姿をしています。
服装の方も旧地獄から逃亡した永久罪人だからなのか、囚人服のような服や鎖の切れた手枷、首に掛けられた大きな手錠など脱獄囚を模したものとなっています。
瑞霊は物語の途中までは反獄王の通称で呼ばれており、その名が発覚するのは第三章の第五話(単行本でいう3巻目のラスト)と、推理ものの犯人らしく当初は名前すら明らかになっていませんでした。
その経緯から古明地さとりに追われているほか、博麗霊夢や博麗神社、幻想郷に恨みを持っているかのような描写や、幻想郷の基準でもかなりの実力者であることが窺えるなどしており、ただ事件を起こした犯人なだけではなく非常に多くの謎を抱えたキャラクターとなっています。
そのような瑞霊ですが、初参加となった今回の人気投票では138位とあまり振るわない順位となってしまいました。
このような結果となった理由はいくつか考えられ、書籍にしか登場していないキャラクター故の知名度の低さや、未だ設定に謎が多すぎて二次創作で扱いづらいことなどが挙げられます。
特に単行本に登場したタイミングの都合上、「第18回東方Project人気投票」の投票締め切り時点で公式のカラーイラストが存在しない等、キャラクターとして基本的な部分が出揃っていなかったことはかなり厳しかったものと思われます。
逆に言えば、これから「東方智霊奇伝」の話が進むことで、徐々に設定が明らかになることがほぼ確定している、非常に伸びしろの多いキャラクターとも言え、次回以降は順位が上がる気がします。
音楽部門
「第18回東方Project人気投票」の音楽部門の投票数は37,659票でした。
こちらは投票対象の楽曲が580曲と非常に多くなっていますので、一部の楽曲をピックアップして見て見ようと思います。
1位から10位は以下のような結果となりました。
・1位 U.N.オーエンは彼女なのか?
・2位 亡き王女の為のセプテット
・3位 ハルトマンの妖怪少女
・4位 月まで届け、不死の煙
・5位 恋色マスタースパーク(恋色マジック)
・6位 偶像に世界を委ねて 〜Idoratrize World
・7位 上海紅茶館 ~ Chinese Tea
・8位 神々が恋した幻想郷
・9位 ネクロファンタジア
・10位 幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life
順位だけ見ると「U.N.オーエンは彼女なのか?」が3連覇と昨年を踏襲したかのような結果に見えますが、注目すべきはそのポイント数です。
今回の「U.N.オーエンは彼女なのか?」は18,520ポイントと、2位の「亡き王女の為のセプテット」が12,929ポイントなことを考えると圧倒的であり、2位の約1.5倍近いポイントを集めたことになります。
ちなみに前回は、順位は動揺ながらも「U.N.オーエンは彼女なのか?」が11,848ポイント、「亡き王女の為のセプテット」9,498ポイントとなっており、今回「U.N.オーエンは彼女なのか?」が集めたポイントの多さが分かります。
なぜここまで「U.N.オーエンは彼女なのか?」がポイントを集めたのかというと、やはりこの楽曲をテーマとしているフランの躍進が関係しているものと思われます。
フランがプレイアブルキャラクターとなった「東方剛欲異聞」でも、「U.N.オーエンは彼女なのか?」もziki_7さんのアレンジバージョンが採用され注目を集めました。
次に、「第18回東方Project人気投票」で初登場した楽曲をいくつか見てみましょう。
・79位 有機体全てのメメント ~ Memory of Fossil Energy.
・136位 強欲な獣のメメント
「東方剛欲異聞」で初登場した饕餮尤魔のテーマ曲2曲は、79位と136位という結果となりました。
初登場でテーマ曲が2曲もあるという異例の好待遇で登場した尤魔。
票が分散されやすいと思われる条件ながら、初登場楽曲の中ではワンツーフィニッシュと善戦しました。
・295位 七ツ石の狼、雲を取りに駆ける
「虹色のセプテントリオン」からは、「七ツ石の狼、雲を取りに駆ける」が295位にランクインしました。
元は山梨県丹波山村のPR曲として作曲された楽曲で、七ツ石山の狼をイメージした曲となっています。
楽曲が収録されている「虹色のセプテントリオン」は、昨年の「コミックマーケット99」の会場限定で頒布されたのみと非常に入手困難な作品でしたが、「七ツ石の狼、雲を取りに駆ける」はたばやま観光推進機構の公式YouTubeチャンネルにて一部が試聴可能です。
・205位 100回目のブラックマーケット
「バレットフィリア達の闇市場」の楽曲の中では、「100回目のブラックマーケット」が205位と最高順位でした。
「100回目のブラックマーケット」は終盤ステージのテーマ曲なため、遊ぶ上で何度も聴いた方も多いかと思います。
作品部門
「第18回東方Project人気投票」の作品部門の投票数は28,558票でした。
全57作品がエントリーしており、ゲームから書籍、音楽CDまで様々なジャンルの原作が投票対象となっています。
作品部門の1位~10位は以下の作品です。
・1位 東方紅魔郷
・2位 東方永夜抄
・3位 東方妖々夢
・4位 東方風神録
・5位 東方地霊殿
・6位 東方紺珠伝
・7位 東方虹龍洞
・8位 東方鬼形獣
・9位 東方茨歌仙
・10位 東方星蓮船
1位の「東方紅魔郷」から6位の「東方紺珠伝」までの上位6作品は、作品部門が第12回に新設されてからどれも順位が変わっておらず、不動の人気となっています。
7位の「東方虹龍洞」と8位の「東方鬼形獣」も前回から据え置きで、例年通り上位は大きな変動の見られないランキングとなりました。
第17回から第18回までの間に製品版が頒布された作品の順位は以下の通りです。
・21位 バレットフィリア達の闇市場
・22位 東方剛欲異聞
・57位 虹色のセプテントリオン
第16回と第17回の時点では体験版のみ頒布されていた「東方剛欲異聞」は、前回45位から22位と順位を大きく上げており、作品部門では例外的な上昇幅を見せました。
「バレットフィリア達の闇市場」も小数点ナンバリングSTGでは最高順位となる21位と健闘しており、これらの2作品は比較的多くの人に遊ばれて投票されたことが分かります。
「虹色のセプテントリオン」は57位と初登場ながら最下位となってしまいました。
上記したように過去の入手機会が非常に限られていたうえ、「未知の花 魅知の旅」のようにDL販売やサブスク配信も現時点ではなしと、そもそも作品に触れること自体がとても難しく、多くの人にとって投票する候補にすら挙がりにくかったことが理由として推測されます。
アンケート
「東方Project人気投票」では任意のアンケートも行われており、参加者の年齢や性別、住んでいる地域から東方Projectに関する質問まで、様々な項目が設けられています
今回の記事では、それらを各項目ごとに取り上げてみようと思います。
年齢
年齢の有効回答数は15,135件で、全体の39.24%を占める15〜19歳が参加者の年齢層として一番多いという結果となりました。
15〜19歳は主に高校生が大多数となる年齢層で、東方Projectの人気が主に若年層に広がっていることを示す一つのデータとなりそうです。
更に細かく見てみると、16歳が全体の9.08%と全年齢で一番多く、それに15歳の8.97%、17歳の7.67%、18歳の7.65%と続いています。
それより少し下、中学校に通う年齢である14歳の6.70%、13歳の4.70%も中々に多く、現在の東方Projectファンの主流は中高生と言っても過言ではないかもしれません。
もっと大きな括りで見ても、未成年者の参加者が54.77%と過半数を超えており、33.39%を占める20代と合わせて、現在の東方Projectは20代以下の若者がファンの9割近くと、非常にファンの年齢層が低いコンテンツとなっています。
性別
性別の有効回答数は15,625件で、参加者の性別は男性が74.73%、女性が21.71%、その他が3.56%でした。
男性向けコンテンツに分類されることも多い東方Projectですが、おおよそ2割程度の女性ファンが存在しており、今回の人気投票でも一定数の女性が参加されたようです。
お住まいの地域
お住まいの地域の有効回答数は14,561件で、南関東の26.64%が最多となりました。
全体の79.39%が日本国内からの参加者となり、国内では南関東や近畿など人口の多い地域に参加者も多い、ある意味順当な結果となっています。
残る20.61%は海外からの参加者で、その中では8.41%の東アジアが最も多く、4.68%の北アメリカと3.31%のヨーロッパがそれに続いています。
ノーコンテニューでクリアできた難易度
この質問は、ノーコンテニューでクリアできたWindows版以降の整数ナンバリングの原作STGの難易度を集計したもので、未購入の項目があるなど実質的に作品のプレイ率も把握できる質問となっています。
全作品が10,000件以上、12,000件未満の有効回答数となっており、この質問に回答したのは「東方Project人気投票」の参加者の中でも、特に熱心なファンであることが推察されます。
最も有効回答数が多かったのが「東方紅魔郷」の11,877件で、未購入率も39.43%と該当の原作の中では購入者の比率も最も多い作品でした。
整数STGで最新作となる「東方虹龍洞」は有効回答数10,904件、未購入率が55.51%となっており、昨年発売された最新作より20年以上前に発売された作品の方が多くの人に遊ばれているという、ゲームコンテンツとしては非常に特異な状況となっていることが分かります。
作品にもよりますが、原作購入率は全体的に約60~40%程度となっており、データに反映されているのが有志の人気投票に参加した上でアンケートまで隈なく記入した層であることを考慮すると、東方Projectのファン全体で見ると実際は更に低い可能性があります。
現在購読している雑誌連載作品
この質問は、現在雑誌にて連載されている「東方香霖堂」、「東方酔蝶華」、「東方智霊奇伝」の購読者数を集計したものです。
有効回答数は、3項目とも10,000件以上、11,000件未満でした。
「東方香霖堂」が連載されている雑誌版「東方外來韋編」を購入している人は19.16%と、「東方外來韋編」が一年以上刊行されていないことを考慮しても、非常に低い数字となりました。
「東方酔蝶華」は雑誌連載やWeb連載、単行本で読んでいる人が合わせて44.60%と、読者が過半数を割り込む結果となりました。
「東方智霊奇伝」もWeb連載や単行本で読んでいる人が合わせて38.63%と、こちらも読者が過半数を割り込みました。
連載雑誌の「東方外來韋編」が一年以上刊行されていない「東方香霖堂」はともかく、Web連載で最新話が無料で読める「東方酔蝶華」と「東方智霊奇伝」を読んでいる人が、アンケ―ト回答者の中でも半数に満たないというのは非常に驚きました。
東方Projectに魅力を感じているところ
この質問は東方Projectに魅力を感じる部分を尋ねるもので、複数の選択肢に回答可能となっています。
多くの人が回答しやすい質問だったこともあってか、有効回答数も16,870件とアンケートの中では最多タイとなっていました。
全7項目のうち、最も支持を集めたのは94.17%の人が選択した音楽で、キャラクターの91.68%がそれに続きました。
音楽とキャラクターの2項目は90%を超える圧倒的な支持を集めており、東方Projectの大きな魅力となっているようです。
それ以外の項目の中で注目なのは、77.39%を記録した二次創作作品です。
8割近い人が二次創作に魅力を感じているというのは、コンテンツとして特筆に値する数字かと思われます。
東方Projectを知った時期
この質問は東方Projectを知った時期について尋ねるもので、有効回答数は15,521件でした。
選択肢にある時期の長さが一定ではないため、個々の項目を単純比較することはできませんが、やはり近年になって東方Projectを知った方が多いようで、現在から数えて約5年以内(「東方天空璋」頒布以降)に知ったのが合わせて25.75%と、新規ファンの多さを裏付ける結果となりました。
東方Projectを知ったきっかけ
この質問は東方Projectを知ったきっかけについて尋ねるもので、有効回答数は15,607件でした。
驚くことにYoutubeで知った人が35.87%と最も多く、学校や部活、家族などのオフラインが21.04%、ニコニコ動画(生放送なども含む)が13.63%という結果となりました。
Youtubeとニコニコ動画の差など、近年の時代の流行が反映された回答となっており、新規に東方Projectのファンになった方が、どこで東方を知ったのか大まかに推測できます。
コミケや例大祭など同人誌即売会に参加する際の目当て
この質問はコミケや例大祭など同人誌即売会に参加する際の目当てについて尋ねるもので、複数の選択肢に回答可能となっているほか、参加していないという選択肢があるため、実質的には参加率のアンケートでもあります(同人即売会に参加していないと回答したのは全体の58.39%)。
複数回答可ということもあってか、こちらの有効回答数も16,870件とアンケートでは最多タイとなっていました。
目当てと回答された上位3項目は、同人誌(26.48%)、同人音楽(22.22%)、同人グッズ(20.93%)の購入となっており、同人作品の購入目当てとして参加している人がやはり多いようです。
それに続いて20.68%の人が原作の購入と回答しており、会場で原作を手に入れることを重視する人も一定数存在することが分かります。
これまでに東方人気投票に参加したことはありますか?
最後の質問は「東方Project人気投票」にこれまで参加したことがあるかというもので、有効回答数は16,320件でした。
今回が初参加という回答が45.51%と最も多く、新規参加者による投票数の増加を裏付ける結果となりました。
まとめ
今回の人気投票ですが、投票の結果以前に11,000人以上も参加者が増えたことに一番驚きました。
整数STGが頒布されない年は投票数が下がるというジンクスが破られるどころか、参加者がここまで増えることを予想できた人は少なかったのではと思います。
参加者がここまで増えた理由。
それを探るため、過去のデータを照らし合わせて検証したところ、理由の一つと思われるある興味深い点が浮かび上がりました。
それは、10~14歳の参加者の増加です。
参考までに、約5年前に開催された「第14回東方Project人気投票」では10歳~14歳の投票者数は5.83%となっており、今回の15.29%という結果と比べると、約5年で10歳~14歳の比率が10%近く上がったことになります。
元々ボリューム層であった15~24歳が大多数なことには変わりないものの、「第18回東方Project人気投票」では歴代で初めて25〜29歳より10歳~14歳の参加者が増える逆転現象が起きており、年齢からしておそらく中学生と思われる、これまで以上に若い新たなファン層が開拓されたことが確認できます。
以上のことから、「第18回東方Project人気投票」で参加者が増えた理由の一つは、中学生東方ファンの大規模な増加にあることが考えられます。
「東方Project人気投票」とは、現在は有志である「東方人気投票実行委員会」によって運営されている東方Projectの非公式の人気投票です。
運営体制や投票の形式を変えながら第18回(Exなど番外編を除く)まで開催されている非常に歴史の長い企画であり、毎回数万人もの東方ファンが国内外から参加するということもあって非公式ながら大変注目度の高い一大イベントとなります。
現在、投票部門としては人妖部門、音楽部門、作品部門の3部門が存在しており、それに加えてアンケートも集計されています。
人妖部門は7キャラクター、音楽部門は10曲、作品部門は5作品まで投票可能で、それぞれの部門で2ポイントとなる一押しをその中から1つだけ選ぶことができます。
「東方Project人気投票」の3部門が、上記の条件で開催されるようになったのは、第12回からとなっています。
基本的に第12回以降は人妖部門、音楽部門、作品部門が全く同じ条件で開催され続けているため、それらの部門はポイント数まで含めて比較をすることができます。
投票数
今回の「第18回東方Project人気投票」の投票数は人妖部門が51,652票、音楽部門が37,659票、作品部門が28,558票でした。
特定の部門にのみ投票する人がいるため厳密な参加者数は割り出せませんが、「第18回東方Project人気投票」に最低でも51,652人以上が参加したこととなります。
例年最も投票数の多い部門である過去の人妖部門(旧キャラクター部門)と比較しても、51,652票というのは圧倒的に多く、歴代2位の第9回(43,737票)や歴代3位の第12回(42,419票)を抑えて断トツ1位の参加者数となりました。
40,363票だった前回の第17回と比べても約11,000票以上の増加となっており、大雑把に計算しても前回比で約125%の増加率です。
得票数が50,000票の大台に載ったのは、「東方Project人気投票」の長い歴史の中で今回が初めてとなり、過去最大規模の人気投票となりました。
ここまで参加者が増えた理由には、前回の記事でも掲載した以下の3点など複数の要因が考えられますが、詳しくは記事の最後に後述したいです。
・「東方ステーション」とのコラボによる告知の増加
・TwitterまたはGoogleのアカウントでログインして投票できるようになり参加ハードルが低下した
・許諾を得た商業向け二次創作や様々なコラボ企画の増加によって東方に触れる窓口が増えた
むしろ、特筆すべき点として挙げられるのは、今回の「第18回東方Project人気投票」が開催された2022年は、整数ナンバリングSTGが頒布された年ではない点です。
確かに「東方剛欲異聞」と「虹色のセプテントリオン」、「バレットフィリア達の闇市場」は今回が実質的な初登場で、饕餮尤魔と宮出口瑞霊の新キャラクター2名も初参加となるとはいえ、整数ナンバリングSTGが頒布されない年は投票数が少なくなるという近年のジンクスが見事に破られたこととなります。
注目を集める条件としては逆風と言える状況の中、得票数を11,000票以上増やしたことには、何かしらの意味がある気がします。
人妖部門
前述の通り、「第18回東方Project人気投票」の人妖部門の投票数は51,652票でした。
投票対象が208キャラクターもいる都合上、全てのキャラクターを取り上げることは難しいので、いくつかの点に着目してピックアップしてみようと思います。
まず、上位7キャラクターについてです。
・1位 フランドール・スカーレット
・2位 霧雨魔理沙
・3位 博麗霊夢
・4位 魂魄妖夢
・5位 十六夜咲夜・6位 古明地こいし
・7位 レミリア・スカーレット
なぜこの7キャラクターに絞ったのかというと、1位から7位までは第11回から顔ぶれが変わっておらず、8位以下とは数千単位でポイント差が付くなど毎回別格の人気となっているからです。
参考までに、7位のレミリア・スカーレットは12,981ポイント、8位の藤原妹紅は8,728ポイントと非常に離れており、1位のフランドール・スカーレットが16,723ポイントなのを考慮すると、1位から7位までより、7位から8位までの方がポイント数が離れていることになります。
これらの上位7名の牙城は、投票数が11,000票以上増えても依然として健在であり、人気投票の新規参加者が増えても一定以上の支持を集めているようです。
「第18回東方Project人気投票」の人妖部門で栄えある1位を獲得したのは、フランドール・スカーレットでした。
フランは今回が初の1位、それどころか第17回までの最高順位が5位という中での快挙となりました。
なぜここまでフランの順位が上がったのか。
大きな理由として挙げられそうなのは、「東方剛欲異聞」でプレイアブルキャラクターに抜擢され、ストーリー上でも重要な役割を果たした点です。
これまで原作でスポットライトが当たる機会が多いとは言えなかったフランも、ここに来てようやく大きな追い風が吹いたことの影響は大きそうです。
続いて、「第18回東方Project人気投票」で初参加となった2キャラクターの順位を見ていきましょう。
・53位 饕餮尤魔
・138位 宮出口瑞霊
「東方剛欲異聞」で初登場した饕餮尤魔が53位、「東方智霊奇伝」で初登場した宮出口瑞霊が138位という結果となりました。
剛欲同盟の同盟長である尤魔は、元ネタである饕餮及び羊を擬人化したような外見のキャラクターで、ギザギザの歯や横長の瞳孔など、これまでの東方キャラでは見られなかった外見的な特徴を持っています。
饕餮という苗字(種族名)のみ「東方鬼形獣」で語られた後、満を持して登場した「東方剛欲異聞」ではラスボスを務めました。
ストーリーの重要人物として活躍しただけでなく、個性的なデザインや無敗の名に恥じぬ強さ、意外と多い他キャラとの関係など目立つ点も多く、今回の人気投票でも53位にランクインしました。
参考までに、その他の畜生界の動物霊組織のトップは初登場時(第16回)、吉弔八千慧が46位、驪駒早鬼が76位にそれぞれランクインしており、一定の支持を集めていることが分かります。
宮出口瑞霊は「東方智霊奇伝」で初登場した怨霊で、作中に起きた一連の事件の犯人です。
瑞霊の外見で最も特徴的なのはその脚で、脚の途中(膝の下あたり?)から先が存在せず、地面から常時浮遊しているなど、怨霊らしい姿をしています。
服装の方も旧地獄から逃亡した永久罪人だからなのか、囚人服のような服や鎖の切れた手枷、首に掛けられた大きな手錠など脱獄囚を模したものとなっています。
瑞霊は物語の途中までは反獄王の通称で呼ばれており、その名が発覚するのは第三章の第五話(単行本でいう3巻目のラスト)と、推理ものの犯人らしく当初は名前すら明らかになっていませんでした。
その経緯から古明地さとりに追われているほか、博麗霊夢や博麗神社、幻想郷に恨みを持っているかのような描写や、幻想郷の基準でもかなりの実力者であることが窺えるなどしており、ただ事件を起こした犯人なだけではなく非常に多くの謎を抱えたキャラクターとなっています。
そのような瑞霊ですが、初参加となった今回の人気投票では138位とあまり振るわない順位となってしまいました。
このような結果となった理由はいくつか考えられ、書籍にしか登場していないキャラクター故の知名度の低さや、未だ設定に謎が多すぎて二次創作で扱いづらいことなどが挙げられます。
特に単行本に登場したタイミングの都合上、「第18回東方Project人気投票」の投票締め切り時点で公式のカラーイラストが存在しない等、キャラクターとして基本的な部分が出揃っていなかったことはかなり厳しかったものと思われます。
逆に言えば、これから「東方智霊奇伝」の話が進むことで、徐々に設定が明らかになることがほぼ確定している、非常に伸びしろの多いキャラクターとも言え、次回以降は順位が上がる気がします。
音楽部門
「第18回東方Project人気投票」の音楽部門の投票数は37,659票でした。
こちらは投票対象の楽曲が580曲と非常に多くなっていますので、一部の楽曲をピックアップして見て見ようと思います。
1位から10位は以下のような結果となりました。
・1位 U.N.オーエンは彼女なのか?
・2位 亡き王女の為のセプテット
・3位 ハルトマンの妖怪少女
・4位 月まで届け、不死の煙
・5位 恋色マスタースパーク(恋色マジック)
・6位 偶像に世界を委ねて 〜Idoratrize World
・7位 上海紅茶館 ~ Chinese Tea
・8位 神々が恋した幻想郷
・9位 ネクロファンタジア
・10位 幽雅に咲かせ、墨染の桜 ~ Border of Life
順位だけ見ると「U.N.オーエンは彼女なのか?」が3連覇と昨年を踏襲したかのような結果に見えますが、注目すべきはそのポイント数です。
今回の「U.N.オーエンは彼女なのか?」は18,520ポイントと、2位の「亡き王女の為のセプテット」が12,929ポイントなことを考えると圧倒的であり、2位の約1.5倍近いポイントを集めたことになります。
ちなみに前回は、順位は動揺ながらも「U.N.オーエンは彼女なのか?」が11,848ポイント、「亡き王女の為のセプテット」9,498ポイントとなっており、今回「U.N.オーエンは彼女なのか?」が集めたポイントの多さが分かります。
なぜここまで「U.N.オーエンは彼女なのか?」がポイントを集めたのかというと、やはりこの楽曲をテーマとしているフランの躍進が関係しているものと思われます。
フランがプレイアブルキャラクターとなった「東方剛欲異聞」でも、「U.N.オーエンは彼女なのか?」もziki_7さんのアレンジバージョンが採用され注目を集めました。
次に、「第18回東方Project人気投票」で初登場した楽曲をいくつか見てみましょう。
・79位 有機体全てのメメント ~ Memory of Fossil Energy.
・136位 強欲な獣のメメント
「東方剛欲異聞」で初登場した饕餮尤魔のテーマ曲2曲は、79位と136位という結果となりました。
初登場でテーマ曲が2曲もあるという異例の好待遇で登場した尤魔。
票が分散されやすいと思われる条件ながら、初登場楽曲の中ではワンツーフィニッシュと善戦しました。
・295位 七ツ石の狼、雲を取りに駆ける
「虹色のセプテントリオン」からは、「七ツ石の狼、雲を取りに駆ける」が295位にランクインしました。
元は山梨県丹波山村のPR曲として作曲された楽曲で、七ツ石山の狼をイメージした曲となっています。
楽曲が収録されている「虹色のセプテントリオン」は、昨年の「コミックマーケット99」の会場限定で頒布されたのみと非常に入手困難な作品でしたが、「七ツ石の狼、雲を取りに駆ける」はたばやま観光推進機構の公式YouTubeチャンネルにて一部が試聴可能です。
・205位 100回目のブラックマーケット
「バレットフィリア達の闇市場」の楽曲の中では、「100回目のブラックマーケット」が205位と最高順位でした。
「100回目のブラックマーケット」は終盤ステージのテーマ曲なため、遊ぶ上で何度も聴いた方も多いかと思います。
作品部門
「第18回東方Project人気投票」の作品部門の投票数は28,558票でした。
全57作品がエントリーしており、ゲームから書籍、音楽CDまで様々なジャンルの原作が投票対象となっています。
作品部門の1位~10位は以下の作品です。
・1位 東方紅魔郷
・2位 東方永夜抄
・3位 東方妖々夢
・4位 東方風神録
・5位 東方地霊殿
・6位 東方紺珠伝
・7位 東方虹龍洞
・8位 東方鬼形獣
・9位 東方茨歌仙
・10位 東方星蓮船
1位の「東方紅魔郷」から6位の「東方紺珠伝」までの上位6作品は、作品部門が第12回に新設されてからどれも順位が変わっておらず、不動の人気となっています。
7位の「東方虹龍洞」と8位の「東方鬼形獣」も前回から据え置きで、例年通り上位は大きな変動の見られないランキングとなりました。
第17回から第18回までの間に製品版が頒布された作品の順位は以下の通りです。
・21位 バレットフィリア達の闇市場
・22位 東方剛欲異聞
・57位 虹色のセプテントリオン
第16回と第17回の時点では体験版のみ頒布されていた「東方剛欲異聞」は、前回45位から22位と順位を大きく上げており、作品部門では例外的な上昇幅を見せました。
「バレットフィリア達の闇市場」も小数点ナンバリングSTGでは最高順位となる21位と健闘しており、これらの2作品は比較的多くの人に遊ばれて投票されたことが分かります。
「虹色のセプテントリオン」は57位と初登場ながら最下位となってしまいました。
上記したように過去の入手機会が非常に限られていたうえ、「未知の花 魅知の旅」のようにDL販売やサブスク配信も現時点ではなしと、そもそも作品に触れること自体がとても難しく、多くの人にとって投票する候補にすら挙がりにくかったことが理由として推測されます。
アンケート
「東方Project人気投票」では任意のアンケートも行われており、参加者の年齢や性別、住んでいる地域から東方Projectに関する質問まで、様々な項目が設けられています
今回の記事では、それらを各項目ごとに取り上げてみようと思います。
年齢
年齢の有効回答数は15,135件で、全体の39.24%を占める15〜19歳が参加者の年齢層として一番多いという結果となりました。
15〜19歳は主に高校生が大多数となる年齢層で、東方Projectの人気が主に若年層に広がっていることを示す一つのデータとなりそうです。
更に細かく見てみると、16歳が全体の9.08%と全年齢で一番多く、それに15歳の8.97%、17歳の7.67%、18歳の7.65%と続いています。
それより少し下、中学校に通う年齢である14歳の6.70%、13歳の4.70%も中々に多く、現在の東方Projectファンの主流は中高生と言っても過言ではないかもしれません。
もっと大きな括りで見ても、未成年者の参加者が54.77%と過半数を超えており、33.39%を占める20代と合わせて、現在の東方Projectは20代以下の若者がファンの9割近くと、非常にファンの年齢層が低いコンテンツとなっています。
性別
性別の有効回答数は15,625件で、参加者の性別は男性が74.73%、女性が21.71%、その他が3.56%でした。
男性向けコンテンツに分類されることも多い東方Projectですが、おおよそ2割程度の女性ファンが存在しており、今回の人気投票でも一定数の女性が参加されたようです。
お住まいの地域
お住まいの地域の有効回答数は14,561件で、南関東の26.64%が最多となりました。
全体の79.39%が日本国内からの参加者となり、国内では南関東や近畿など人口の多い地域に参加者も多い、ある意味順当な結果となっています。
残る20.61%は海外からの参加者で、その中では8.41%の東アジアが最も多く、4.68%の北アメリカと3.31%のヨーロッパがそれに続いています。
ノーコンテニューでクリアできた難易度
この質問は、ノーコンテニューでクリアできたWindows版以降の整数ナンバリングの原作STGの難易度を集計したもので、未購入の項目があるなど実質的に作品のプレイ率も把握できる質問となっています。
全作品が10,000件以上、12,000件未満の有効回答数となっており、この質問に回答したのは「東方Project人気投票」の参加者の中でも、特に熱心なファンであることが推察されます。
最も有効回答数が多かったのが「東方紅魔郷」の11,877件で、未購入率も39.43%と該当の原作の中では購入者の比率も最も多い作品でした。
整数STGで最新作となる「東方虹龍洞」は有効回答数10,904件、未購入率が55.51%となっており、昨年発売された最新作より20年以上前に発売された作品の方が多くの人に遊ばれているという、ゲームコンテンツとしては非常に特異な状況となっていることが分かります。
作品にもよりますが、原作購入率は全体的に約60~40%程度となっており、データに反映されているのが有志の人気投票に参加した上でアンケートまで隈なく記入した層であることを考慮すると、東方Projectのファン全体で見ると実際は更に低い可能性があります。
現在購読している雑誌連載作品
この質問は、現在雑誌にて連載されている「東方香霖堂」、「東方酔蝶華」、「東方智霊奇伝」の購読者数を集計したものです。
有効回答数は、3項目とも10,000件以上、11,000件未満でした。
「東方香霖堂」が連載されている雑誌版「東方外來韋編」を購入している人は19.16%と、「東方外來韋編」が一年以上刊行されていないことを考慮しても、非常に低い数字となりました。
「東方酔蝶華」は雑誌連載やWeb連載、単行本で読んでいる人が合わせて44.60%と、読者が過半数を割り込む結果となりました。
「東方智霊奇伝」もWeb連載や単行本で読んでいる人が合わせて38.63%と、こちらも読者が過半数を割り込みました。
連載雑誌の「東方外來韋編」が一年以上刊行されていない「東方香霖堂」はともかく、Web連載で最新話が無料で読める「東方酔蝶華」と「東方智霊奇伝」を読んでいる人が、アンケ―ト回答者の中でも半数に満たないというのは非常に驚きました。
東方Projectに魅力を感じているところ
この質問は東方Projectに魅力を感じる部分を尋ねるもので、複数の選択肢に回答可能となっています。
多くの人が回答しやすい質問だったこともあってか、有効回答数も16,870件とアンケートの中では最多タイとなっていました。
全7項目のうち、最も支持を集めたのは94.17%の人が選択した音楽で、キャラクターの91.68%がそれに続きました。
音楽とキャラクターの2項目は90%を超える圧倒的な支持を集めており、東方Projectの大きな魅力となっているようです。
それ以外の項目の中で注目なのは、77.39%を記録した二次創作作品です。
8割近い人が二次創作に魅力を感じているというのは、コンテンツとして特筆に値する数字かと思われます。
東方Projectを知った時期
この質問は東方Projectを知った時期について尋ねるもので、有効回答数は15,521件でした。
選択肢にある時期の長さが一定ではないため、個々の項目を単純比較することはできませんが、やはり近年になって東方Projectを知った方が多いようで、現在から数えて約5年以内(「東方天空璋」頒布以降)に知ったのが合わせて25.75%と、新規ファンの多さを裏付ける結果となりました。
東方Projectを知ったきっかけ
この質問は東方Projectを知ったきっかけについて尋ねるもので、有効回答数は15,607件でした。
驚くことにYoutubeで知った人が35.87%と最も多く、学校や部活、家族などのオフラインが21.04%、ニコニコ動画(生放送なども含む)が13.63%という結果となりました。
Youtubeとニコニコ動画の差など、近年の時代の流行が反映された回答となっており、新規に東方Projectのファンになった方が、どこで東方を知ったのか大まかに推測できます。
コミケや例大祭など同人誌即売会に参加する際の目当て
この質問はコミケや例大祭など同人誌即売会に参加する際の目当てについて尋ねるもので、複数の選択肢に回答可能となっているほか、参加していないという選択肢があるため、実質的には参加率のアンケートでもあります(同人即売会に参加していないと回答したのは全体の58.39%)。
複数回答可ということもあってか、こちらの有効回答数も16,870件とアンケートでは最多タイとなっていました。
目当てと回答された上位3項目は、同人誌(26.48%)、同人音楽(22.22%)、同人グッズ(20.93%)の購入となっており、同人作品の購入目当てとして参加している人がやはり多いようです。
それに続いて20.68%の人が原作の購入と回答しており、会場で原作を手に入れることを重視する人も一定数存在することが分かります。
これまでに東方人気投票に参加したことはありますか?
最後の質問は「東方Project人気投票」にこれまで参加したことがあるかというもので、有効回答数は16,320件でした。
今回が初参加という回答が45.51%と最も多く、新規参加者による投票数の増加を裏付ける結果となりました。
まとめ
今回の人気投票ですが、投票の結果以前に11,000人以上も参加者が増えたことに一番驚きました。
整数STGが頒布されない年は投票数が下がるというジンクスが破られるどころか、参加者がここまで増えることを予想できた人は少なかったのではと思います。
参加者がここまで増えた理由。
それを探るため、過去のデータを照らし合わせて検証したところ、理由の一つと思われるある興味深い点が浮かび上がりました。
それは、10~14歳の参加者の増加です。
参考までに、約5年前に開催された「第14回東方Project人気投票」では10歳~14歳の投票者数は5.83%となっており、今回の15.29%という結果と比べると、約5年で10歳~14歳の比率が10%近く上がったことになります。
元々ボリューム層であった15~24歳が大多数なことには変わりないものの、「第18回東方Project人気投票」では歴代で初めて25〜29歳より10歳~14歳の参加者が増える逆転現象が起きており、年齢からしておそらく中学生と思われる、これまで以上に若い新たなファン層が開拓されたことが確認できます。
以上のことから、「第18回東方Project人気投票」で参加者が増えた理由の一つは、中学生東方ファンの大規模な増加にあることが考えられます。
コメント