いよいよ「東方虹龍洞」製品版の発売も近づいてまいりましたが、本記事では「東方虹龍洞」の体験版では最終面となる3面やそのボスである駒草山如(駒草大夫)の元ネタなどについて考察してみようと思います。

↓これまでに投稿した「東方虹龍洞」体験版についての考察記事はこちらです。





ステージ
「東方虹龍洞」STAGE3の舞台は「偽天棚」で、ステージタイトルは「尊き高原に穿つ洞 Mine of High Land」です。
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3面の舞台となる「偽天棚」の天棚は読みが確定していないので、指しているのが天棚(あまだな)なのか天棚(てんだな)なのか不明です。
天棚(あまだな)とは高い場所にある棚のことで、天棚(てんだな)は現在でも栃木県で行われている天祭(てんさい)という行事で使われる建造物となります。
また、日本神話には天棚機姫神(あめたなばたひめ)という神も存在するのでそちらを指している可能性もあります。
いずれにしろ現時点では本作で天棚という単語が現れるのは3面のステージ名のみと情報が不足しているため、「偽天棚」の何が偽なのかすらよく分からないのが現状です。

ステージタイトルの「尊き高原に穿つ洞 Mine of High Land」というのは、体験版を最後までプレイした方はもうお分かりかと思いますが高原にある鉱坑である虹龍洞のことを指しています。

3面道中のテーマ曲は「駒草咲くパーペチュアルスノー」となります。20210325021922_1
曲名に入っている駒草とは高山植物のことで、詳しくは後述しますが3面ボスの駒草山如の名前の元ネタでもあります。
パーペチュアルスノー(perpetual snow)というのは日本語で万年雪のことです。
雪が積もる中でも駒草が咲き誇る高原の情景が頭に浮かぶような良い曲名ですね。


ボス
「東方虹龍洞」3面のボスは駒草山如(駒草大夫)です。
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駒草山如は山女郎という種族の妖怪で、「高地に棲む山女郎」という二つ名を持ちます。
山の妖怪達からは専ら駒草太夫と呼ばれているようで、村紗水蜜(ムラサ船長)や霍青娥(青娥娘々)と同じくゲーム内での紹介に通称が使わている東方全体で見ても数少ないキャラクターとなります。
能力は「煙草の煙で精神を操作する程度の能力」というものを持っており、吸うと様々な効果が現れる妖怪の山産の煙草の煙を使い他者の精神を操作する能力のようです。
山如はこの能力を使って、自らが開く賭場の利用者の心を落ち着かせたり逆に昂揚させたりして巧みに操り、賭場にありがちの狂乱を未然に防いでいるとのことです。

能力の説明で前述したように山如は妖怪の山で賭場を開いており、天狗や山童、河童など山の妖怪相手に運営しているようです。
その性質上今までに登場した妖怪の山に住んでいるキャラクター達とも面識がある可能性はかなり高いので今後の活躍にも期待できそうです。
それと、山如の特筆すべき設定といえばやはり虹龍洞の門番を務めているという点です。
山如は誰かに仕えていたり命令されているようなタイプではないため、妖怪の山の住民として何らかの義理があって関わっているのではと思います。

山如からのみ購入できる固有のアビリティカードは「ドラゴンキセル」となります。
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龍を模したようなキセルと山如のシルエットが描かれたカードで、スペルカード取得成功時にライフのかけらを入手できるという能力を持っています。
本作のタイトルにも含まれる龍を模した持ち物のようですが、山如の能力は煙による精神操作なので龍の見た目が能力に関わっているのかはよく分かりません。

山如のテーマ曲は「スモーキングドラゴン」です。
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この曲のタイトルにもドラゴンという単語が入っており、山如の持っている煙管は彼女の代名詞となっているようです。
それ以上に山如と龍に関係がある可能性はありますが、現段階だとよく分かりません。


スペルカード
山如は難易度ごとに3×2パターンのスペルカードを使用してきます。

Easy・Normal
・山符「動天の雲間草」
・山符「妖光輝く薄雪草」
・山花「殺戮の駒草」


Hard・Lunatic
・山怪「驚愕の雲間草」
・山怪「妖魔犇めく薄雪草」
・山花「殺戮の花の女王」


スペルカード名に含まれている雲間草、薄雪草、駒草というのは全て高山植物となります。
花の女王というのも高山植物の女王と呼ばれる駒草のことを指しています。


駒草山如の名前の由来
駒草山如の名前の由来ですが、まず苗字の駒草というのは使用するスペカ的にも十中八九高山植物の駒草のことです。
駒草は妖怪の山の元ネタである八ヶ岳にも自生している植物なのでキャラクターの設定的にも名前にぴったりですね。
また、駒草にはアルカロイドなどの神経毒が微量ながら含まれており、山如の煙管より出る精神を操作する煙というのはこの駒草の性質が元ネタになっているのかと思われます(なお、微量の毒が含まれる植物らしく駒草は古くから薬草としても知られてきました)。

名前の山如についてですが、書き下し文にすると山の如しという読み方ができます。
有名な風林火山の一節にもある言葉なので、妖怪の山に住んでいることから連想してそこから名前を取られた可能性があります。


元ネタ考察
駒草山如の種族である山女郎というのは山姥の別名のようです。
東方に既に存在している山姥である坂田ネムノは種族名もそのまま山姥なのですが、東方の世界観で山女郎とどう違うのかはよく分かりません。
さらに、設定に山姥の伝承や逸話が色濃く反映されていたネムノと違い、今のところ山如は山女郎である要素が女性であることと山に住んでいることくらいしか確認できません。
ただ、単独行動を好む種族であるという東方の世界観の山姥の性質と、山如が山の妖怪達相手に賭場を開いていることは一見相容れないように見えますが、実はネムノの設定テキストの時点で山姥は他種族とはビジネスライクな交流をすることがあると明記されているので設定的には矛盾していません。
なので、山如の他の種族の妖怪向けの賭場はその一環である可能性はあります。
山姥は同種族同士で交流を持つことは殆ど無いというのも、賭場の利用者に他の種族の妖怪しかいないことの説明になります。
総合すると、東方の世界観の山女郎というのは、河童と山童の関係のように種族としては山姥と同種か非常に近い関係なのではないかと予想します。


まとめ
新キャラクターである山如ですが、山の妖怪達と広く交流のある設定もあり今後は書籍などで他キャラクターとの絡みも見れるかもしれません。
虹龍洞との関係など製品版になるまでまだ分からない面もありますので、「東方虹龍洞」製品版の展開は要注目です。